定年・再雇用時に社会保険料のロスを減らす方法【メディックスメールマガジン】vol.178

2019年5月30日配信 ◆━━━◆~おかげさまで創立30周年!~ ┃【メディックスメールマガジン】vol.178 ◆━━━◆━━━━━━━━━━━━━━◆ メディックスメールマガジンをご愛読いただきまして ありがとうございます。 先生の治療院では「定年」を定めていらっしゃいますか? 本日は治療院スタッフの「定年」と、それに関わる 便利な制度についてご案内いたします。 柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師の 資格には、年齢の要件はありません。 お元気な限り、生涯現役でいらっしゃることも可能です。 そのため、ご高齢の先生も大勢いらっしゃいますし、 またご家族をスタッフとして採用されている場合にも 高齢の方がいらっしゃることがあります。 もし、60歳以上のスタッフがいらっしゃり、 定年退職後に再雇用となる場合、知っておくと有利な 「社会保険の同日得喪」のお話です。 ■社会保険料が3ヶ月前倒しで下がる 最近は、企業の定年も60歳から65歳へと伸び、 一旦退職となっても再雇用されて働き続ける方が 増えています。 しかし、再雇用となった場合の多くは、それまでよりも 給料の額が下がったり、役職から外れたりと、 これまでよりも条件面が下がることがほとんどです。 給料が下がると税金や保険料の負担も下がる・・・はずなのですが、 社会保険料の負担額は給料が下がってから3ヶ月間は、 下がる前の給料を元に計算された金額のままなのです。 これでは再雇用された本人も、社会保険料を本人と 折半で負担している雇用者側も負担が大きくなってしまいます。 そこで、再雇用となった月からすぐに新しい給与額での 社会保険料を計算できる制度が「同日得喪」です。 ■「同日得喪」のやり方と提出書類 「同日得喪」はその呼び名の通り、年金や健康保険といった 社会保険の被保険者資格を、一旦喪失したその同日に、 再取得する仕組みです。 年金事務所や健康保険組合に対して、 「被保険者資格喪失届」 「被保険者資格取得届」 を同時に提出することで手続きが可能です。 また、上記の書類だけでなく、 ・就業規則や退職辞令の写し等の退職したことがわかる書類 (就業規則において「定年」ついて記載がある箇所の写し 等) ・継続して再雇用されたことがわかる雇用契約書の写し ・これまでの被保険者証 を添付して提出します。 日本年金機構のホームページでは 「継続再雇用に関する証明書」の様式が 公開されており、そのまま利用することもできます。 ■役員も「同日得喪」の対象者? 「同日得喪」は、60歳以降に退職後継続再雇用となる すべての人が対象です。 退職となってから1日も空けずに同じ会社に勤めるならば 退職後継続再雇用となるため、定年だけではなく、 定年後の有期労働契約の更新も対象となります。 また、すべての人なので、正社員だけではなく、 役員やパートタイマーも対象となります。 役員の場合には添付書類として、 「役員規定、取締役会の議事録などの役員を 退任したことがわかる書類及び退任後継続して 嘱託社員として再雇用されたことがわかる雇用契約書」 が必要になります。 一方で、再雇用後に給料が変わらない方や むしろ上がる方については「同日得喪」は不要です。 再雇用で給料が下がる場合に社会保険料を 早く適切な金額にする制度なので、金額が 変わらないのに手続したり、わざわざ 金額を上げる意味がないためです。 ちなみに、「同日得喪」を行うとすぐに社会保険料が 下がった給料に合った金額に変わるメリットが あるものの、同時に厚生年金額や傷病手当金も 下がるという被保険者のデメリットもあります。 事業主としても社会保険料の負担額が減る メリットは大きいと思いますので、 定年後の再雇用や定年後の有期雇用の更新の際は、 忘れずに「同日得喪」の制度を活用するようにしましょう。 スタッフの採用や管理などはどのタイミングで どのように行うべきなのか、慣れないうちは 戸惑うことも多いと思います。 接骨院開業セミナーでは、こうした採用・人事の お悩みについてもアドバイスをしております。 下記よりお気軽にお申込みください。 https://www.mdx-center.com/seminar/seikotsuin_kaigyo/?utm_source=20190530&utm_medium=mail ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 【メディックスメールマガジン】はメルマガ会員の皆様に お役に立つ情報を発信し続けて参ります。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。